ITに強い顧問税理士の見極め方と、アナログな関係を劇的に変える新時代の税理士との付き合い方

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執筆者佐田 栞
コラムテーマ税理士の賢い選び方
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ITに弱い税理士のままで大丈夫?リテラシー不足が経営の足を引っ張るリスク

日々多くの中小企業経営者とお会いする中で、「税理士からの提案が全くない」「いまだにビジネスチャットやクラウド会計などのITツールに対応してくれない」という切実なご相談を数多くいただきます。

 

現代のビジネス環境において、ITリテラシーの低い税理士と契約し続けることは、単に事務作業が不便であるというレベルの話ではありません。企業の成長スピードを鈍化させ、ひいては経営の足を引っ張る重大なリスクとなります。

弊社を通じて税理士を変更し、ITに強い税理士事務所の支援を受けた電気設備工事業を営むS社(岡山県/年商8,500万円)の事例をご紹介しましょう。同社は、アナログな対応に終始していた税理士から、IT活用をしてくれる提案型の税理士へと変更を行いました。

その結果、業務効率が劇的に改善しただけでなく、税理士変更後わずか5ヶ月で前年の年間売上を達成し、利益は前年同期比で3倍にまで伸長するという驚異的な成果を上げています。

 

このように、税理士のITスキルは企業の業績に直結します。本章では、ITに弱い税理士が経営にもたらす具体的なリスクについて、実際の事例と数値を交えながら詳しく解説していきます。

アナログなやり取り(紙・FAX・電話)が奪う「経営者の時間」

税理士とのやり取りにおいて、未だに紙の資料やFAX、電話が中心となっている場合、経営者の貴重な時間が大幅に奪われていることに気づく必要があります。

 

例えば、毎月送られてくる請求書や、インターネットバンキングの取引履歴、クレジットカードの明細を、わざわざ紙に印刷して税理士へ手渡しや郵送で提出する作業は極めて非効率です。

S社も、以前はすべて紙ベースで資料を共有するアナログな経理体制に陥っており、社長自身が毎月8時間もの膨大な時間を経理作業に費やしていました。

 

この「月8時間」は年間で約100時間にも及びます。本来であれば、この時間は売上を作る営業活動や、新たな経営戦略の立案に充てられるべき最重要のリソースです。

経理業務のデジタル化が進んでいない旧態依然とした税理士事務所に依頼し続けることは、見えない人件費と多大な機会損失を毎月生み出し続けていると言わざるを得ません。

クラウド会計未導入による「経営数字のタイムラグ」が招く、経営判断の遅れ

クラウド会計を導入していないアナログな税理士の場合、領収書や通帳のコピーを渡してから試算表が完成するまでに数ヶ月の遅れが生じることは珍しくありません。

この「経営数字のタイムラグ」は、変化の激しい現代のビジネスにおいて、致命的な経営判断の遅れを招きます。

自社のリアルタイムなキャッシュフローや利益状況が見えていなければ、適切なタイミングでの投資や経費削減を実行することは不可能です。

 

一方で、ITに強い税理士へ変更した企業では、データでのスムーズな連携を実現し、毎月の打ち合わせで常に最新の試算表を確認できる体制を構築しています。

さらに、決算の6ヶ月前という早い段階から精度の高い着地予測を行うことで、圧倒的に有利な決算対策を実現しています。数字の把握が遅れることは、企業の成長機会を逃し、最悪の場合は資金繰りの悪化に直結することを強く認識すべきです。

世の中の常識(チャットツール・Web会議・クラウドツール)が通じないストレスの限界

現代の中小企業経営において、社内外の連絡でチャットツールやWeb会議、クラウドツールを活用することは、もはや当たり前の常識となっています。

 

しかし、ベテランの税理士などに多く見られるケースとして、これらのデジタルツールに対する知見が乏しく、スピーディーなやり取りが困難な場合があります。

電話中心の連絡手段に限定されていると、「言った・言わない」のトラブルが発生しやすいだけでなく、回答を得るまでにも無駄な待ち時間が生じ、経営者の強いストレスとなります。

ITツールを自在に活用できる税理士であれば、Chatworkなどの導入により、質問に対して即座にレスポンスを得られる環境が整います。

 

経営における意思決定のスピードは年々重要性を増しており、日々のコミュニケーション手段の遅れは会社の競争力低下に直結するため、税理士のITリテラシー欠如は決して看過できない問題なのです。


ITに強い税理士を見極める「ITリテラシー診断」5つのチェック項目

では、自社の強力なパートナーとしてふさわしい「ITに強い税理士」をどのように見極めればよいのでしょうか。

株式会社船井総合研究所のコンサルタントとして、税理士選びの際に経営者の皆様に必ず確認していただきたい「5つのチェック項目」を提唱します。

 

表面的な営業トークに惑わされることなく、実際の業務プロセスにおいてどれだけのデジタル化が実装されているかをシビアに評価することが重要です。

チャットツール(Chatwork・LINE WORKS)やWeb会議を日常業務で使いこなしているか

最初のチェックポイントは、日常的なコミュニケーションツールへの対応力です。ChatworkやLINE WORKS、ZoomやGoogle Meetなどを、当たり前のように日常業務で使いこなしているかを必ず確認してください。

 

S社では、チャットツールを活用することで、疑問点が生じた際にスピーディーに返信をもらえる体制が構築されています。

無駄な移動時間を削減しつつ、密な打ち合わせを確実に実施できるかどうかが問われます。

バックオフィス自動化の提案をしてくれるか(クラウドツール活用等)

ITに強い税理士は、単なる過去の数字の「集計屋」ではなく、クライアント企業の業務効率化を支援するコンサルタントとして機能します。

クラウド会計ソフトを導入するだけでなく、インターネットバンキングの連携やCSVデータを活用したバックオフィス全体の自動化について、具体的な提案があるかを確認してください。

 

実際、S社では、社長が負担していた月8時間の経理作業がわずか2時間へと短縮されました。経理業務の時間を75%も削減するような強力な提案力を持っているかが、優秀なIT税理士の条件です。

電子帳簿保存法やインボイス対応を「完全ペーパーレス」で実現できるか

法令対応の観点からも、税理士のITリテラシーは重要です。電子帳簿保存法やインボイス制度への対応において、「完全ペーパーレス」での運用を主導できるかどうかが明確な見極めポイントとなります。

未だに電子メールで届いたPDFをわざわざ紙に印刷して郵送するよう求める税理士は、ITリテラシーが著しく不足していると言わざるを得ません。

 

最新の法改正に対して、ITを活用した実務的な最適解を提示できるかが問われているのです。

事務所全体でデジタル化が浸透しているか(担当者のITスキルレベル)

所長税理士個人のスキルだけでなく、実際に自社を担当するスタッフのスキルレベルも確認すべきです。

「トップはIT化を謳っているが、担当スタッフがツールを使いこなせていない」というミスマッチは頻繁に発生します。

 

データ連携のエラー対応や、クラウドツールの初期設定について、現場の担当者が迅速かつ正確にサポートできる体制があるかをシビアに見極めてください。

担当者がITに明るいことで、月次の打ち合わせでは操作説明ではなく、経営計画や資金調達といった本質的な議論に時間を割くことができます。

最新のAIツールやフィンテックに対するアンテナの高さと具体的な提案力

最後に、最新テクノロジーに対する感度の高さです。AIを活用した自動仕訳機能や、新たなフィンテックサービスの動向を把握し、自社に有益なものを提案してくれるかを確認しましょう。

 

アナログな税理士は保守的な業務に終旨しがちです。酷いケースでは、自社に圧倒的に有利な特例制度(消費税の還付スキームなど)すら提案できず、企業に大きな損害を与えかねないこともあります。

企業の利益とキャッシュを最大化するための最新の知見と、具体的な提案力を持つ税理士こそが、真のパートナーです。


ITに強い税理士へ「変更」するメリットと避けて通れないデメリット

船井総合研究所では、企業の成長ステージや課題に合わせて、最適な税理士事務所をご紹介し、変更を積極的に支援しています。

実際に税理士を変更し、適切なIT支援を受けた企業経営者からは、「もっと早く決断して変えればよかった」という喜びのお声を多数いただきます。

 

しかしながら、顧問税理士の変更は会社にとって非常に大きな意思決定であり、メリットばかりに目を向けるのではなく、一時的なデメリットや乗り越えるべき実務的なハードルが存在するのも事実です。

本章では、ITに強い税理士へ変更することによって得られる強力なメリットと、事前にしっかりと把握しておくべきデメリットについて解説していきます。

【メリット】経理業務の完全自動化|入力作業をゼロへ

最大のメリットは、圧倒的な効率化です。

 

最新のクラウド会計ソフトで銀行口座やクレジットカードを連携することで、これまで手作業で行っていた「入力作業」を限りなくゼロに近づけることが可能になります。

S社の事例のように、経理時間を75%削減できれば、その余力を売上向上に直結する活動に集中投資できるようになります。

【メリット】経営状況のリアルタイム可視化|いつでも最新財務を確認

手入力に依存しない環境では、常に最新の財務状況やキャッシュフローを確認できます。

これにより、決算の6ヶ月前から高精度な着地予測を行い、先手先手で節税対策や投資判断を進めることが可能になります。

 

「データに基づいた精度の高い経営判断」は、IT税理士を採用する最大の恩恵の一つです。

【デメリット】変更に伴う一時的な手間|新旧税理士への連絡と引き継ぎ

一方で、旧税理士への契約解除の申し出は心理的な負担となります。また、過去の確定申告書や仕訳データといった膨大な資料を引き継ぐ実務作業も発生します。

 

しかし、この移行作業は新しい税理士が主導してサポートしてくれるケースがほとんどです。

一時的な手間を惜しんでアナログな環境に留まる損失の方が、中長期的な成長を考えれば遥かに大きいといえます。

【デメリット】運用ルールの再構築|学習コスト

これまで「領収書を丸投げするだけ」だった場合、データ連携などの新しいフローに慣れるまでの学習コストが生じます。

導入初期は一時的な業務効率の低下があるかもしれませんが、ここを乗り越えることで劇的な生産性向上が約束されています。

伴走型のIT支援を得意とする税理士を選べば、このコストは最小限に抑えられます。


デメリットを最小限に!ITに強い税理士へスムーズに「変更」する手順

デメリットや一時的なハードルがあるとはいえ、正しい手順を踏めば税理士変更のリスクは最小限に抑えることができます。

弊社が税理士紹介をご支援する中でも、円滑な移行プロセスの構築が税理士リプレイス成功の鍵を握っています。

無用なトラブルを避けて旧税理士との契約を終了させ、ITリテラシーの高い新たなビジネスパートナーと共に最速で自社のDXを立ち上げるためのノウハウをお伝えします。

適切なタイミングを図り、周到な事前準備をもって進めれば、税理士の変更は決して恐れるようなものではありません。

角を立てない「解約理由」の伝え方とタイミング

円満に解約を進めるコツは、「自社の経営方針の転換」を理由にすることです。

「今後のDX化に向けてクラウド会計に特化した事務所に切り替える」という大義名分を伝えれば、相手の能力不足を指摘することなく角を立てずに済みます。

タイミングは「確定申告の完了直後」が最もスムーズです。

クラウド会計へのデータ移行は?確認すべきポイント

現在使用している会計システムから新しいシステムへ、過去数年分の仕訳データをCSV形式等で確実に入手してください。

データ移行と初期設定の実務については、経営者が抱え込むのではなく、新しい顧問税理士に一任し、数字の整合性をプロの目で担保してもらうのが最も確実です。

変更後のスピード感に驚くはず。DX化を加速させるパートナーの選び方

移行が完了すれば、ビジネスチャットでの即時対応や自動化のスピード感に驚くはずです。

パートナー選びでは、自社の業種に精通し、資金調達などの銀行交渉まで踏み込んでアドバイスをくれる専門家を妥協なく選んでください。


まとめ|ITと税理士の連携で経営を加速。リテラシーの差が「利益」の差に。

顧問税理士のITリテラシーの差は、経営者の時間を創出し、先手を打つ経営判断を可能にし、最終的には「利益の差」として業績に跳ね返ってくる重要な要素です。

実際にS社では、わずか5ヶ月で前年の年間売上を達成し、利益を3倍に伸ばすという成果を上げています。

ITに弱い税理士とのアナログな関係を断ち切り、デジタルツールを自在に駆使する優秀なパートナーを選ぶこと。それこそが、現代の中小企業が勝ち抜くための最強の経営戦略なのです。


メタディスクリプション:
ITに弱い税理士との契約は、経営判断の遅れや多大な機会損失を招きます。本記事では、ITに強い顧問税理士を見極める5つのチェック項目や、変更によるメリット・デメリットを徹底解説。経理の自動化で利益を3倍に伸ばした事例など、DX時代の税理士選びの決定版です。

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執筆者 : 佐田 栞

株式会社船井総合研究所へ新卒で入社以来、一貫して住宅・建設業界のコンサルティングに従事してまいりました。これまで現場に深く入り込み、集客から営業研修、組織づくりまで、累計50社以上の経営支援に携わった経験が私の財産です。 業界特有の経営課題や税務面での勘所を熟知しているからこそ、単なる数値管理に留まらない「攻めの経営」を支える最適な税理士選びをサポートいたします。 「日々の業務が忙しくて、なかなか数字まで手が回らない」「業界のルールを分かってくれる先生と出会いたい」といったお悩みも、ぜひお気軽にご相談ください。 現場目線でのアドバイスと、業界のツボを押さえた税理士選びで、貴社のさらなる成長を全力で応援させていただきます!