【IT導入補助金】2023年後期の申請スケジュールとは?

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執筆者石原 佑哉
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IT導入補助金とは、中小企業がITを導入し、業務効率化や生産性向上を図るのを促進するための制度です。2023年も引き続きIT導入補助金の公募が行われています。

 

公開された公募要領では、セキュリティ対策推進枠の設置の他、通常枠(A類型)下限の引き下げや通常枠のクラウド利用料補助延長、デジタル化基盤導入枠の補助枠下限撤廃といった制度の拡充がなされています。

 

本記事では、IT導入補助金の概要や申請スケジュールについて、解説していきます。
ITツールの導入やIT導入補助金の申請を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

IT導入補助金2023の概要

IT導入補助金は、中小企業や個人事業主がITツールを導入する際の費用負担を軽減する制度です。この補助金は経済産業省を中心に実施され、業務効率化や業務改善、新たなビジネスモデルの創出を促進することを目的としています。

 

補助金の対象経費は、事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供するものに限られます。
企業は登録されたIT導入支援事業者に相談しながら、自社の生産性向上のために適切なITツールを選択し、申請する必要があります。

 

申請されたソフトウェアの利用範囲内で最大2年分の保守費用が補助の対象となりますが、オプションに対する保守費用は最大1年分までとなります。

 

さらに2023年は7月31日までに申請し採択が決定した事業者は「前期事務局」が担当、8月1日以降に申請の上採択が決定した事業者は「後期事務局」が担当と担当事務局が異なっているため、注意が必要です。

 

2023年のIT導入補助金では、いくつかの変更点があります。詳細な内容については以下で説明します。

変更点①セキュリティ対策推進枠の設置

IT導入補助金では、2022年に新たに「セキュリティ対策推進枠」が設けられました。この枠は、現在の国際情勢やサイバー攻撃のリスクの高まりを考慮して導入されたものです。セキュリティ対策推進枠は、中小企業や小規模事業者がセキュリティリスク対策に取り組むための費用を補助することを目的とした補助金制度です。

 

セキュリティ対策推進枠の利用条件は以下の通りです。

 

・補助率:サービス利用料の1/2以内
・補助額:5万円〜100万円
・「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されるサービスの利用料を補助
・サービス利用料は最大2年分まで補助

変更点②通常枠(A類型)下限の引き下げ

2023年度から、通常枠(A類型)の補助下限が30万円から5万円に引き下げられました。これにより、補助率が1/2であるため、購入額の最低金額が2022年度の60万円以上から、10万円以上に引き下げられました。つまり、より低額な投資でも補助を受けることができるようになりました。

変更点③通常枠のクラウド利用料補助延長

2022年度までは、通常枠のクラウド利用料については最大1年分の補助が可能でしたが、2023年度からは最大2年分の補助に改正されました。これにより、より長期間にわたって運用コストの補助を受けることができるようになりました。

④デジタル化基盤導入枠の補助枠下限撤廃

デジタル化基盤導入類型における補助下限が撤廃されました。補助率は3/4であるため、2022年度では補助下限が5万円であり、最低でも約7万円弱の購入が必要でした。しかし、2023年度からは最低購入額が実質的になくなりました。これにより、過去に申請できなかった数万円程度の安価なサービスやシステムでも、補助を受けることができるようになりました。

IT導入補助金2023のスケジュール

ここでは、IT導入補助金2023のスケジュールについて解説します。IT導入補助金のスケジュールは、確定している募集回のスケジュールのみが公表されています。以降のスケジュールは随時更新されるため、ホームページ等で情報を集めるようにしましょう。

IT導入補助金2023年のスケジュールと変更点

全ての申請枠で共有するスケジュールは下表の通りです。スケジュールに関しては例年と大きな変更はありませんが、枠によって締切日が異なることがあるため注意が必要です。

 

交付申請期間

<前期>

2023328日(火)受付開始~2023731日(月)17:00

※デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)は2023620日(火)より申請開始予定

 

<後期>

202381日(火)より受付開始

※デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)およびデジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)は20238月下旬より申請開始を決定

通常枠

通常枠のスケジュールは下表の通りです。

 

前期事務局
通常枠 3次締切分 締切日

2023年710日(月)17:00

交付決定日 2023年822日(火)(予定)
事業実施期間 交付決定~20231130日(木)1700
事業実績報告期限 2023年1130日(木)1700
通常枠 4次締切分 締切日 2023年731日(月)17:00
交付決定日 2023年912日(火)(予定)
事業実施期間 交付決定~20231130日(木)1700
事業実績報告期限 2023年1130日(木)1700
後期事務局
通常枠 5次締切分 締切日 2023年828日(月)17:00
交付決定日

2023年102日(月)(予定)

事業実施期間 交付決定~2024329日(金)1700
事業実績報告期限

2024年329日(金)1700

通常枠 6次締切分 締切日

2023年102日(月)17:00

交付決定日 2023年116日(月)(予定)
事業実施期間 交付決定~2024430日(火)1700
事業実績報告期限 2024年430日(火)1700
通常枠 7次締切分 締切日 2023年1030日(月)17:00
交付決定日 2023年124日(月)(予定)
事業実施期間 交付決定~2024531日(金)1700
事業実績報告期限 2024年531日(金)1700

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠のスケジュールは下表の通りです。

 

前期事務局
セキュリティ対策推進枠 3次締切分 締切日

2023年710日(月)17:00

交付決定日 2023年822日(火)(予定)
事業実施期間 交付決定~20231130日(木)1700
事業実績報告期限 2023年1130日(木)1700
セキュリティ対策推進枠 4次締切分 締切日 2023年731日(月)17:00
交付決定日 2023年912日(火)(予定)
事業実施期間 交付決定~20231130日(木)1700
事業実績報告期限 2023年1130日(木)1700
後期事務局
セキュリティ対策推進枠 5次締切分 締切日 2023年828日(月)17:00
交付決定日

2023年102日(月)(予定)

事業実施期間 交付決定~2024329日(金)1700
事業実績報告期限

2024年329日(金)1700

セキュリティ対策推進枠 6次締切分 締切日

2023年102日(月)17:00

交付決定日 2023年116日(月)(予定)
事業実施期間 交付決定~2024430日(火)1700
事業実績報告期限 2024年430日(火)1700
セキュリティ対策推進枠 7次締切分 締切日 2023年1030日(月)17:00
交付決定日 2023年124日(月)(予定)
事業実施期間 交付決定~2024531日(金)1700
事業実績報告期限 2024年531日(金)1700

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)のスケジュールは下表の通りです。

 

前期事務局
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)5次締切分 締切日

2023年710日(月)17:00

交付決定日 2023年822日(火)(予定)
事業実施期間 交付決定~20231130日(木)1700
事業実績報告期限 2023年1130日(木)1700
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)6次締切分 締切日 2023年731日(月)17:00
交付決定日 2023年912日(火)(予定)
事業実施期間 交付決定~20231130日(木)1700
事業実績報告期限 2023年1130日(木)1700
後期事務局
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)7次締切分 締切日 2023年814日(月)17:00
交付決定日

2023年919日(火)(予定)

事業実施期間 交付決定~2024329日(金)1700
事業実績報告期限

2024年329日(金)1700

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)8次締切分 締切日

2023年828日(月)17:00

交付決定日 2023年102日(火)(予定)
事業実施期間 交付決定~2024329日(木)1700
事業実績報告期限

2024年329日(木)17:00

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)9次締切分 締切日 2023年911日(月)17:00
交付決定日

2023年1016日(火)(予定)

事業実施期間 交付決定~2024430日(火)1700
事業実績報告期限

2024年430日(火)17:00

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)10次締切分 締切日

2023年102日(月)17:00

交付決定日

2023年116日(月)(予定)

事業実施期間

交付決定~2024430日(火)1700

事業実績報告期限

2024年430日(火)17:00

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)11次締切分 締切日

2023年1016日(月)17:00

交付決定日

2023年1120日(月)(予定)

事業実施期間

交付決定~2024531日(金)1700

事業実績報告期限

2024年531日(金)17:00

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)12次締切分 締切日

2023年1030日(月)17:00

交付決定日

2023年124日(月)(予定)

事業実施期間

交付決定~2024531日(金)1700

事業実績報告期限

2024年531日(金)17:00

デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)

デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)のスケジュールは下表の通りです。

 

前期事務局
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型) 1次締切分 締切日

2023年710日(月)17:00

交付決定日

2023年822日(火)(予定)

事業実施期間

交付決定~20231130日(木)17:00

事業実績報告期限

2023年1130日(木)17:00

デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)2次締切分 締切日

2023年731日(月)17:00

交付決定日

2023年912日(火)(予定)

事業実施期間

交付決定~20231130日(木)17:00

事業実績報告期限

2023年1130日(木)17:00

後期事務局
デジタル化基盤導入枠(商流一括IT導入類型)5次締切分 締切日

2023年102日(月)17:00

交付決定日

2023年116日(月)(予定)

事業実施期間

交付決定~2024430日(火)17:00

事業実績報告期限

2023年430日(火)17:00

デジタル化基盤導入枠(商流一括IT導入類型)6次締切分 締切日

2023年1030日(月)17:00

交付決定日

2023年124日(月)(予定)

事業実施期間

交付決定~2024531日(金)17:00

事業実績報告期限

2024年531日(金)17:00

デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)3次締切分 締切日

2023年102日(月)17:00

交付決定日

2023年1116日(木)(予定)

事業実施期間

交付決定~2024531日(金)17:00

事業実績報告期限

2024年531日(金)17:00

IT導入補助金2023の申請フロー・申請方法

IT導入補助金を申請する際には、以下の手続きフローに従う必要があります。申請手続きにはgBizIDプライムアカウントの取得が必要であり、アカウントの発行までには通常2週間程度の時間がかかるため、余裕をもって手続きを進めることが重要です。

 

詳細な書類や手続きについては、IT導入補助金の公式サイトを参照してください。

 

1.gBizIDプライムアカウントの取得:必要なアカウントを取得するための手続きを行います。
2.「SECURITY ACTION」の宣言:セキュリティ対策に関する宣言を行います。
3. 「みらデジ」の「経営チェック」:「みらデジ」ポータルサイト内にgBizIDで登録し、「経営チェック」を実施します。
4.交付申請書の作成:IT導入支援事業者と協力して、交付申請書を作成します。
5.交付決定後の手続き:交付が決定された後、ITツールの発注、契約、支払いなどを行います。
6.事業実績報告:補助金の交付後、事業の実績報告を行います。
7.補助金交付手続き:補助金の交付手続きを進めます。
8.事業実施効果報告:事業の実施効果についての報告を行います。

IT導入補助金2023のポイント・注意点

ここでは、IT導入補助金のポイントや注意点について解説します。IT導入補助金の申請に際しては、公募要項を正しく理解して申請手続きを進めていく必要があります。以下で詳しく説明していきます。

通常枠A類型とB類型の違い

通常枠は、経営課題や需要に合わせた適切なITツールの導入により業務効率化と売上増加を目指すための基本的な申請枠です。導入するITツールは、業務工程や種別に適した要件を満たし、労働生産性の向上に貢献する必要があります。A類型は、ITツールのプロセス数が1つ以上の場合に該当し、補助金額は5万円以上150万円未満で、補助率は2分の1となっています。通常枠(B類型)は、ITツールのプロセス数が4つ以上の場合に該当し、補助金額は150万円以上450万円以下で、補助率は2分の1です。

指定されたIT導入支援事業者とITツールの選定

IT導入補助金を利用するためには、事前に登録されたITベンダーやサービス事業者の提供するITツールを選択する必要があります。登録されているITツールの一覧は、「IT導入補助金2023」公式サイトで順次公開されるので申請前に確認するようにしましょう。
1つのITベンダーが提供するサービスの導入を検討される場合は、そのベンダーがIT導入支援事業者であれば、ベンダーに相談することで申請を進めることが可能です。
もし複数ベンダーのツールを導入したい場合は、ベンダーへ相談するのではなく、税理士事務所や経理改善コンサル会社等、複数のツールを提供ツールとして登録しているIT導入支援事業者へ相談しましょう。

補助対象事業者の条件を確認

補助金の対象となる中小企業や小規模事業者には明確な定義がありますので、すべての企業が利用できるわけではありません。例えば製造業の場合、資本金が3億円以下または従業員が300人以下の場合が対象となります。業種によって要件が異なるため、詳細は公式サイトを確認しましょう。

経営課題を事前に明確にする

IT導入補助金は採択される可能性が高い補助金ですが、経営課題と選定したITツールとの整合性がないと採択されない可能性があります。まずは自社の課題を明確に把握しましょう。そして、その課題解決に適したITツールを選定することが重要です。経営課題や取り組むべき事柄の把握には、「みらデジ」が役立ちます。なお、IT導入補助金2023では、「みらデジ経営チェック」の実施が申請要件となっているため、必ずチェックしましょう。

IT導入補助金2023の活用メリット

IT導入補助金を活用することには多くのメリットがあります。まず、補助金の性質から規定に従えば原則的に返済不要という点があります。つまり、企業は導入費用を自己負担する必要がありません。IT導入補助金を活用することで、企業は費用を抑えながらITツールを導入できます。ITツールやシステムの導入には通常高額な費用がかかる場合がありますが、この補助金を利用することでその負担を軽減できます。これにより、企業は最新のテクノロジーを活用し、業務効率や生産性の向上につながるITソリューションを導入することができます。


また、IT導入補助金を活用することで、財務への負担を軽減し、資金を他の重要な事業投資に回すことができます。さらに、IT導入による自動化や効率化は従業員のモチベーションアップと負担軽減にも繋がります。従業員は煩雑な作業やルーチン業務から解放され、より価値のある業務に集中することができます。これにより、仕事へのモチベーションが向上し、生産性やクオリティの向上に寄与します。また、業務の負担が軽減されるため、ストレスや疲労感が減り、従業員の働きやすさが向上します。

まとめ

本記事では、2023年度IT導入補助金の概要とスケジュールについて詳しく説明しました。2023年度の補助金では、通常枠(A、B類型)のクラウド利用料の補助延長が実施されました。さらに、デジタル化基盤導入に関する補助金の下限額が撤廃され、インボイス制度にも対応しやすくなりました。

 

IT導入補助金2023は、昨年度よりも利用しやすくなっており、法改正や業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための有効な手段となります。公募要項を細かく確認し、自社のニーズに合った補助金の活用方法を検討することが重要です。ただし、補助金の活用にあたっては公募要項や申請手続きに注意し、適切に計画を立てることが必要です。

 

公募要項の確認や申請手続きは、必要に応じて専門家のサポートを受けることも有用な選択肢です。船井総研が提供する税理士セレクションでは、IT導入補助金のサポートに強い税理士をはじめとして、様々なニーズを満たすハイレベルな税理士をご紹介しております。

 

現在の顧問税理士から補助金の提案や資金調達支援の依頼がないという方は、ぜひお気軽にご相談ください。

執筆者 : 石原 佑哉

船井総研に新卒で入社以来、約10年間にわたりHR(組織・人事)領域のコンサルティングに従事。 建設・不動産、自動車販売・整備、整骨院・美容室・エステに代表される労働集約型産業の経験が特に多く、その他でも多岐に渡る業種・ビジネスモデル・企業成長の壁に対して知見を培う。 その後、成長企業において「税理士から提案がない」「充分な決算対策ができずに機会損失をした」「資金繰りが読めずに困っている」「事業承継・相続対策が上手くいかなかった」という税理士レベルのミスマッチによる深刻さに着目し、 税理士セレクション2人目のメンバーとして事業にジョイン。 経営コンサルタントとしての経験も交えたビジネスモデル理解、 中期経営計画(中計)を基に投資判断の整理・優先順位付けに関するアドバイス、 そして「企業および経営者」と「税理士事務所および担当者」の相性まで鑑みた “企業成長を後押しするパートナー選び”を得意としている。